Project KALAVINKA

日常に眠っている「美」を千切り取ってゆく

再・移行の告知

畳もうと思います。来ていただいている方には感謝いたします。これからは趣向を変えてFC2ブログに引っ越しています。よろしければご一読ください。 http://golfe7.blog.fc2.com/

港の突端で輻輳する美を御する愉しみ

傲慢な意志を唯一癒し赦すものがこの世の美しさなのかも知れなかった。海と空の圧倒的で純粋なイメージを前にすれば苦情の一つも浮かぶことがない。そこは恐らく彼にとって安息地だったのだろう。海と空だけは、気を張ることも余計な言葉を考え付くこともな…

希望が、正に希望であるが故にできないことがひとつある。

ターキッシュコーヒーというのがある。珍しいのは名だけではない。通常、珈琲を淹れるときはコーヒー豆を挽いた粉がそのままカップに移らないように濾す工程がある。しかし、ターキッシュコーヒーにはその工程がない。注がれた珈琲を一端そのまま置いて沈殿…

印象を呼び起こさないメロディーに感情だけが曳航されていく

photo by Andy Magee ピッツィカートは河の流れを想起させる。バイオリンのすっとした清流が辺りを渓谷に変える。せせらぎが聴こえてくるような、あるいはその逆の現象。芸術と自然が交錯する。芸術は自然を模倣し、自然は芸術を模倣し続ける。芸術が比喩的…

「樹をめぐる物語」展@損保ジャパン日本興亜美術館

photo by Atom Malchick ゴールデンウイーク最終日。暑く晴れた午後に、緑あふれる絵画の群れを観に新宿駅西口へ降り立つ。世界最大とも言われるこのターミナルにはそれがゆえに心なしか寂しさのようなものが漂っている。大きすぎて広すぎるものが人々に恐怖…

パトリック・モディアノ『迷子たちの街』(平中悠一:訳)作品社

photo by Amelien (Fr) モディアノの小説としてはこれで4つ読んだことになる。毎回のようにいいなと思う。解析すればそれこそ豊饒な要素がいくつもあるのだろう。けれどわたしは、そういう理解とは縁をすっぱりと切って読むことにした。そういう知力はもう後…

はじめに言葉ありき。

photo by Rodrigo Soldon 2 キャリアデザインに関する書籍を読み耽っていて、いろいろと来し方について書いてみようと思った。人並みではあるけれど、大学入学に至るプロセスは壮大な物語だった。就職と、それから転職に至るまでのプロセスもまた広大な物語…

カンブルラン指揮読響:マーラー交響曲第7番「夜の歌」@東京芸術劇場

photo by En Why かぐわしい春の陽気に照らされて自然が息づきだすような日だった。みなみ風が春の近いことを告げていくこの日に、マーラーの7番を聴くことができるのは何たる運命だろうかと思った。巨大な交響曲群を後世に残した大作曲家のシンフォニーの中…

みすぼらしく砕かれた華がどうしても不憫だったから

photo by niznoz いわゆる近代藝術について考えるとき、それは総じて何を志向していたのだろうかといえば、それはきっとanonymity「無名性」ではないかと思った。不確実で不明確、希釈されかつ濃密なものへと変体しながら、奥の院に眠る美を探し求めたのが近…

消えてゆくことを愛してしまうあやふやで杳々たる感性

photo by Vintage Lulu 陽光の降り注ぐ日比谷通りを散策していた。空が清んでいて気持ちがいい。道沿いに立ち並ぶ建築も堂々としていてカッコいい。なかでもコリント式の明治生命館は異彩を放っている。着工はさかのぼること西暦一九三〇年、画家のレオナー…

「美しさ」はいつからわたしの近くに在ったのかをめぐる回想

photo by HorsePunchKid 私は「うつくしい」という言葉を用いることが、恐らく常人の比にならないくらい多い。そのことに意識的になったのは、幾年か前にツイッターのアプリで自分が最も多くつぶやいた言葉を知ったときからだ。第一位に、それはそれは栄えあ…

ベルトラン・ボネロ監督『サンローラン』@TOHOシネマズシャンテ

photo by Kalun L 一週間ほど前、体調の芳しくない中、新春早々の映画鑑賞に有楽町へ行った。去年の冬の公開からずっと気になっていたサンローランの映画。最初から最後まで色彩感がすばらしく、背景音楽にもこだわりを感じた。セザール賞に最多ノミネートと…

森博嗣『イデアの影』中央公論新社

photo by Hindrik S 氏の小説は知と美のバランスがすばらしい。哲学的でありつつそれに偏向しすぎることなく、サテン生地のような綺麗なものを志向する姿勢を決して失うことがない。今回の小説も、うわさになっているくらいだが装丁が信じられないくらい美し…

うつくしい花がなくても構わない、ただ花のうつくしさを感じることさえできるなら。

ベートーヴェンって色彩的には「黒」のうつくしさに近い。それも黒漆のような耀きを伴った高級で幾らか鋭く冷たいイメージが去来する。— アオイ (@sirius_class) December 13, 2015 ベートーヴェンは「黒」のイメージと言って伝わるものなのかどうか知らない…

つめたい冬の珈琲店にて恨みたくなるほど美しい瞬間に陥った

photo by biogi 序 紳士っぽく紅茶もよいが、いつも通りの、とはいっても連休で幾らか混雑した珈琲店でトラジャを注文。あれこれと考え事をし、脳が行き詰まればカウンターの動きを眺め、そうこうしている内にカップは空になってしまう。おもむろにモディア…

「美しい」と感じるための訓練-ブルデュー社会学をヒントに

photo by Jonathan Sureau パナソニックの汐留ミュージアムにて開催中の「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」展に行った。いくつか惹き込まれる絵画もあったが、全体的になかなかしっくりと来るものが少なくあっという間に出口に辿り着いてしまった。そ…

チョン・ミョンフン指揮東フィル:マーラー交響曲第1番「巨人」@サントリーホール

photo by neonzu1 マーラーの実演の帰りはいつも何となく蟠りのようなものに付き纏われていることばかりだが、今回は違った。純粋に感動し、最後の最後まで座席から拍手を送っていた。「Music is Might」という言葉があるが、今宵ほどこの言葉が身に沁みたこ…

「最後の印象派」展@損保ジャパン日本興亜美術館

photo by Adrian Hu 九月、芸術の秋。モネやブルガリで賑わう上野は正に芸術祭の様相を呈してさえいる。栄えある美術展に彩られた各地のギャラリーの内、西新宿ではどちらかと言えば少々薄暗いイメージの絵画を並べていた。フォービズムやキュビスムなどメイ…

大植英次&東フィル:ブラームス交響曲第3, 4番@Bunkamuraオーチャードホール

photo by kaniths ひさしぶりに並んで当日券を買った。大学生のころがいくらか懐かしいなと思いつつ、開場までのしばらくの間を松濤一丁目の珈琲店で休憩を挟んだ。陽光の気持ちいいうつくしい午後である。さてと、座席はコントラバス隊と向かい合う3階桟敷…

パトリック・モディアノ『廃墟に咲く花』(根岸純:訳)キノブックス

photo by Dusty J 何かを探し訪ねること、されど何一つ分からないで終わること。日常に潜む不可知性とそれに伴う空虚感、こうしたものを愛そうとするモディアノの哲学がフランス的でとても好きだ。仏文らしく「時」をさかのぼることもしばしばで回想と縁が切…

ザンデルリンク指揮ドレスデン・フィル:ブラームス交響曲第1番@所沢ミューズアークホール

photo by nemodoteles 雨に変わるかそうでないか何ともいえないぐずついた空模様だった。ベートーヴェンとブラームスという大層ドイツ的なプログラムを聴きに行く。どうやら私は去年の7月にもブラームスを聴いている。そのときは読響によるブラームスの1番だ…

「シンプルなかたち」展@森美術館

photo by benessere この間に美術館へ行った時も雨だった。なぜだか雨の日には美術に誘われる。雨が嫌いな人もいるだろうが、雨はそれだけでもう一つの詩として成立することがある。森美の今回の美術展については、少し前からチェックしていた。「美はどこか…

ボルトン指揮モーツァルテウム管弦楽団:モーツァルト交響曲第41番『ジュピター』@ミューザ川崎シンフォニーホール

photo by AudreyR. 5月末とは思えないじりじりと照りつける陽射しを浴びながら、ミューザ川崎へ向かう。モーツァルトの生誕地、ザルツブルクにて活動しているモーツァルテウム管弦楽団で聴くモーツァルト。ある意味ウィーンフィルのそれよりも魅力的でさえあ…

ベルトラン・ド・ビリー指揮都響:デュティユー交響曲第2番@東京文化会館

photo by Camil Tulcan 夏のように暑い日差しの落ちてくる日だった。からりとした大気にはどことなく懐かしさを覚える。もうカフェに入るとひたすらアイスコーヒーを頼むようになってきた。上野駅近くの上島珈琲店にてしばらく時間をつぶしてから、東京文化…

「グエルチーノ+世紀末の幻想」展@国立西洋美術館

photo by DeShaun Craddock 白い冬の象徴が瞳に映った。雪の舞う四月というのは珍しい。朝方、何やら寒いものだと思いながらカーテンをめくる。うすい桃色の桜とはかなげな白い雪が共存しているという奇蹟。どこかへ出掛けようと気が急いているのがわかる。…

「新印象派―光と色のドラマ」展@東京都美術館

photo by Di_Chap 3月に入ったとはいえ、まだ肌寒い日が続いている。休日に美術館に行ったら込んでいるだけで何も愉しくない。こういうときは閉館時間に合わせるのがいい。わたしの場合、一つの展示を鑑賞するのに大体45分くらいあれば十分なので、夕方上野…

プロフィール

photo by Sharon Mollerus インフラ系エンジニア。神奈川県逗子市生まれ、東京外大卒。新卒で教育業界に入った後、情報通信業界へ転職。関心分野は、フランス文学、近現代詩、哲学、美学、コンピューター・サイエンス、現代アート、建築、映画、オーケストラ…

ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン:ブルックナー交響曲第9番@サントリーホール

photo by wecand ブルックナーのコンサートに人気がないのはいつものことだ。ティーレマンとシュターツカペレ・ドレスデンほどの布陣でもチケットに残りが出てしまう。そのなかでも特に今回のような9番となれば、最硬派と言ってもよいだろう。ある意味で、か…

パーヴォ・ヤルヴィ指揮N響:マーラー交響曲第1番「巨人」@NHKホール

photo by Oli4.D 二週間前の土曜日はたしか雨だったと思う。N響の来シーズンより主席指揮者に就任することになっているパーヴォ・ヤルヴィの指揮でマーラーを聴いて来た。当日購入したチケットにしては二階の比較的望ましい位置に座った。けれども、その音楽…

パトリック・モディアノ『嫌なことは後まわし』(根岸純:訳)キノブックス

photo by Thomas Claveirole モディアノの『失われた時のカフェで』を読了してから三カ月と経たない内に再び書店にて彼の翻訳に出逢った。どうやら絶版になっていたものが去年の受賞で復刊されたらしい。キンドルストアで検索してもみつからないので、書店の…

銀座のとある喫茶店でマンデリンを味わいながら考えた

photo by Garret Voight 情感ある小雨の夕方。銀座一丁目の喫茶店でとあるドイツ文学を読み終えて、ふとレトロってなんだろうと考えた。真空管アンプもあるようで、なんとも確かに「レトロ」という言葉が零れてくる店だったが、さてレトロとは何だと振り返る…

大野和士&都響:フランツ・シュミット交響曲第4番@サントリーホール

photo by MaximeF つめたい風が吹き荒ぶ十二月、六本木でモダニズム冴える楽曲を聴く。西洋音楽史に於いておよそ一世紀近く栄えつづけたロマン派の潮流が爛熟を迎えていた頃、20世紀始めの混沌としたヨーロッパに生まれた二人の作曲家、バルトークとシュミッ…

チューリヒ美術館展@国立新美術館

photo by gato-gato-gato 秋になると美術館に行きたくなる。アーカイブには去年の十一月も美術展に行った記録が残っている。それはいつも、ふとした衝動で始まる。家事を済ませた後、珈琲を飲みながらゆったりしていたとき、ふと六本木の「チューリヒ美術館…

パトリック・モディアノ『失われた時のカフェで』(平中悠一:訳)作品社

photo by Madhya フランス文学の最尖端、パトリック・モディアノ。フランスの文学界にて異彩を放ちつづけてきた小説家の名を、ノーベル賞のニュースと共にわたしも知るようになる。そのときすぐに読んでみようとは思わなかったが、渋谷のブックファーストで…

メータ指揮イスラエル・フィル:マーラー交響曲第5番@NHKホール

photo by Neta Bartal 音楽は、如何にして芸術となるか。西欧言語ではアートやクンストと呼ばれる芸術という言葉の本質的な意味合いは「人工」ということだと言う。たしかに、音響芸術が人によって創られることは疑いようがないが、人びとが音楽に感じる意識…

川上弘美『水声』文藝春秋

photo by aha42 | tehaha うつくしい装丁に誘われて書籍を選ぶようになったのはいつからだろう。小説は言葉が玉座につく世界。絵画や音楽とは次元と言うか、存在の意味が少し違う。その意味に於いて、装丁を以て書籍を判断するというのは些か可笑しい。人に…

ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管:チャイコフスキー交響曲第6番『悲愴』@所沢ミューズアークホール

photo by Zemzina ゲルギエフがマリインスキー歌劇場を指揮するようになって、すでに四半世紀が経過している。前身のキーロフ歌劇場の頃から蜜月時代を続けてきた、世界的にも大変希少なコンビネーション。秋にしては幾らか寒い風の吹く日の午後、コンサート…

ウルバンスキ指揮東響:ショスタコーヴィチ交響曲第7番『レニングラード』@ミューザ川崎シンフォニーホール

photo by Magdalena Roeseler ポーランドの新進気鋭、ウルバンスキの指揮を聴く。ミューザ川崎と言えば私の中ではスダーン&東響のコンビネーションが懐かしい。そぞろに吹き荒ぶ秋の午後、かつての栄光を越えて、新風の香りを味わいに東海道線に揺られる。…

コルネリウス指揮読響:R.シュトラウス『アルプス交響曲』@東京芸術劇場

photo by gaheilon 詩にあるいくつかの機能として、歌と語りの二つを挙げた詩人がいる。語りというのはいわば説明であり注釈であり説得であり、分析的と言える。一方で歌というのはいわば伝達であり送信であり声明であり、直情的と言える。この二つのパート…

ヘンヒェン指揮読響:ブラームス交響曲第1番@サントリーホール

photo by tigion 鬱々とした暗い空に気持ちの萎える日。夕方まで近所のカフェで読書に耽る。陽の未だ沈み切らない内に小説を閉じて、六本木一丁目に向かう。ここ二カ月くらいの間、仕事が立て込んでいたせいか、コンサートに行く機会を失うことばかりだった…

ヤノフスキ指揮N響:ブルックナー交響曲第5番@NHKホール

photo by Anna1975 陽光の渡る四月の日曜日、葉桜が飾る河川敷で華やぐ人びと。そうした暖かな空気を感じつつ、私は随分と様相の異なる楽曲を聴きに来た。…と書き出すと何やらのどかな印象を与えるかも知れないが、それは実際とはかけ離れている。私はコンサ…

スダーン指揮東響:モーツァルト交響曲第41番『ジュピター』@ミューザ川崎シンフォニーホール

photo by downhilldom1984 ミューザ川崎で、スダーンと東響の創り出す妙なる合奏に聴き入るのもこれが最後になるだろか。あア、さみしい。でも、さみしいからこそ、このコンサートは深い想い出となってわたしの中に確かに降り積もることだろう。そのためにも…

山田和樹&読響:R.シュトラウス『英雄の生涯』@東京芸術劇場

photo by Thomas R. Stegelmann 霧につつまれる情緒溢るる夕方、西池袋の東京芸術劇場へ向かう。あア、最後にオーケストラを聴いたのはいつだろか。もう何か月もご無沙汰していただろうと思う。今宵、読響の奏でるベートーヴェンとシュトラウスの音楽につつ…

ネルソンス指揮バーミンガム市響:ドヴォルザーク交響曲第9番『新世界』@オペラシティホール

photo by Clément Belleudy オペラシティに行くとなると、京王新線を使うことになる。わたしの場合、新宿駅でJRから乗り換えることになるので、随分グルグルと移動する破目になる。いつも、何でもう少し行きやすいところにないのだろうと惜しんでいるが、そ…

「バルビゾンへの道」展@Bunkamuraザ・ミュージアム

photo by EyeOTBeholder つめたい風に揺れる渋谷。夜の六時を越えたころ。もうクリスマスの装いをして煌びやかなBunkamura。東急の隣を歩きながら向かう道すがら、テールランプや街灯が冬の夜をほんのり暖かく彩るようで少し涙ぐむ位には感傷的になっていた…

スダーン指揮東響:ブルックナー交響曲第4番『ロマンティック』@ミューザ川崎シンフォニーホール

photo by Stephen A. Wolfe ミューザ川崎へ、東響&スダーンの奏でるブルックナーの『ロマンティック』を聴きに行く。それだけでもなく、レイ・チェンによるシベリウスのヴァイオリン協奏曲がプログラムに並ぶ。どちらもわたしがひときわ愛する曲である。十…

「印象派を超えて」展@国立新美術館

photo by fusion-of-horizons 久しぶりの美術館、最期に行ったのはいつだろかと思ってTwilogで調べてみると、どうやら新春弥生の頃がそうだった。「ポール・デヴォー展」が最期の記憶である。何とも夢見心地な安らかな記憶である。そうしてついにそうして不…

ニーチェの遺したツァラトゥストラの精神に酔ふ

約二週間くらいの期間を使ってニーチェの代表作『ツァラトゥストラはかく語りき』と格闘した。途切れ途切れに休日のひと時を使って心躍る哲学の精華たるものを味読した。ときに深く沈み込むように、ときに涙を湛えて、ときにこころを削りつつ、その思想を掴…

ノリントン指揮N響:モーツァルト交響曲第38番『プラハ』@Bunkamuraオーチャードホール

朝のひかりの様な、瑞々しくうつくしいコンサートだった。こころ躍る愉しさ、この感覚を与えてくれた彼らに感謝したい。二日つづけてのコンサートとなったが行って本当に好かった。 ブルックナーの六番を聴いて、つめたい風の吹く朝を迎えた。そのときは未だ…

下野竜也&新日フィル:ブルックナー交響曲第6番@すみだトリフォニーホール

ひさしぶりにコンサートを愉しむ日曜の午後。嵐が迫っているらしく、何やら空は聊か忙しそうにしていたが、わたしは鳥の気持ちも知らないでのほほんとその時を待っていた。 総武線、錦糸町。ここに最後に来たのはいつだったか、はっきりとは思い出せない。そ…